白井宏幸の遠くへ行こう(仮)

車や電車では気づかないあんなとこ、こんなとこ白井宏幸の視線で切り開く!!
君は同調できるか?疑問に思うか?
岸和田 城下(その2)
岸和田 城下(その2)
【旅先でモノを買う事について】
 
ベイサイドモールをでて、岸和田城に向かう道すがらに、左手に商店街のしっぽが見えた。山手の南海駅前から一丁目、浜側へ向けて二丁目、三丁目と、駅から離れるにつれて丁目数が増えてってた。初めての土地では東西南北の感覚が程よく希薄で、右、とか左、とかっていう表現になっちゃうな。まだまだ方角やらランドマークを把握しきれてないからね。
ベイサイドモールから…つまり浜側から南海岸和田駅前大通り経由で岸和田城を目指していたので、その時に見つけた商店街は、三丁目で駅に向かうにつれ、二丁目、一丁目と数を減じてゆく形になってるわけ。
旅情という言葉では足りんほどに寂れた商店街で、アーケードのせいか日の光も幾分か遮られてしまってて余計にその不経済感が際立ってたのね。『こういうカンジも好きだよ』なんて、たまに来るだけの人が無責任に口にできない状況がそこにはあったのかもしれん。一丁目に向かうにつれて―つまりは駅に向かって行くにつれて―活気を帯びてゆくものの、それと比較して背中の遠く後ろの方で時代に置き去られたものを嘆くだけの権利は僕にはない。他人事すぎるんだろうね。
で、商店街一丁目と南海岸和田駅との間にはもう一つ、いわばチャンピォンロードとも呼べそうな、新興の商店街があった。一位の、そのまた、上。
ここにはまた後で立ち寄る事になります(過去に於ける確定的未来←日記や文章が現在進行形になり得ないものの、見る人に少し予習や準備をしてもらえる文章の格好の特徴でもある)。
 
突然だけれど、ジーンズを買いました。商店街をでた鼻先にあったアメリカ衣料で、EDWINの新作。新古問わずジーンズには人並み程度の興味しかないもんで、バイト先ではいているジーンズがくたびれてしまったので買い換えようと思っただけのこと。
旅先にてふらりと立ち寄った店で、ポイントカードが満額の半分も埋められてしまうというのは、旅先の小さな旅館の子どもに懐かれてしまうのに似た、近く別れが来る事を知る人間の『キミの気持ちには応えらんないよ……。』な感じがします(きっと旅館の子どもは懐いている相手がただの客で翌日にはいなくなっている事くらいは宿命的に理解しているのだろうけれど)。
 
でも、別れがスグに来るからといって親しくなる事を放棄するべきではないのです。せっかく出会えた幸せを共有できる時間を大切に。出会いの喜びと、共に過ごすであろう時間は、別れの悲しみを必ず超越するものである。
 
話題が飛び過ぎてるね、つれづれもいいとこだわ…。
 
購入後すぐにその店の試着室ではきかえて、岸和田城へと向かいました。
買った衣服はスグに着る。着たいから買うのだというスタイルです。最近は情報量が多過ぎて買いたいから買う、そんな人が増えているようでもある。過多需要過多供給。消費欲求を煽られてしまいがちですね。
 
さて、たどり着いた岸和田城。ちょうどお花見イベントのため(開催時間は夕方あたりらしい)溢れ返る人と、久しゅうお目にかかります屋台の行列。平日の昼間に、何故にこんなにいるのやらと言うくらい。いや、日本人は働き過ぎなんですよ、ねぇ。
というわけで、お昼休みの女子高生やらを目で追いつつ、いや、桜を眺めつつ。あぁ、花が咲く見頃の期間が短い、という意味では比喩的だわ。岸和田城をぐるりと一周。ついでだから、開放していた史料館兼天守閣に登りました。ところで僕は『ついでだから』という台詞が気にいってるんです。(今回のお芝居に少しその台詞が何度か連続して出て来るシーンがあるのね)代役でやっているときにその『ついでだから』という台詞が持つ『怠惰的、依存的、消極的前向きさ』を表現したいのだけれど、なかなか。
 
城を下り、近くの和菓子屋さんを探り当てる(こういう事には鼻が利くのだ、道に迷う事なく)。
その店で泉州銘菓『梅花むらさめ』を購入。
 
…………長いな。
えー、その3【道に迷おう】に続けましょうか。
 
後記:今回は友人や大好きな人への旅先からの手紙、という意識で書いてみております。馴々しく感じた方にはすみません。気に入ってくれた方、文通しましょう。
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Last updated: 2004/7/27

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